さくら、ひらひら。
第12章 新しい春。
無事にあたしたちはそれぞれの志望校に合格し、
あたしは一人登下校する毎日。
新しい制服、鞄、靴。
それなりに仲のいい友達もでき、
それなりに楽しい毎日。
優依とは一度会ったけれど、
あれから4人で集まることはなかった。
「…弥生ちゃん?もう、どうしたの?」
「…あ、沙耶、ゴメン。ちょっとぼーっとしてた。」
「もう、いっつもぼーっとしてるんだから!
そんなんじゃ事故に遭っちゃうよ?」
「大丈夫。あたし、これでも運はあるから!」
ハハッと笑ってみせると、
沙耶もふわりと笑ってくれる。
沙耶は、高校でできた〝友達〟。
本当の友達って、
なんなのかな?
わからなくなる。