さくら、ひらひら。
あたしはある店の前で声をあげた。
「うわっ、これ可愛い!!」
「なにそれ?」
「鈴だ…」
そっと持ち上げるとリン、と可憐な音が鳴る。
「ちょうど4色あるじゃん!」
「いいね、これ。」
「…地味」
大がぼそりと文句を言ったけど、
「何か?」と優依が笑顔で言ったから、
「すみません」と黙った。
「…ありがとうございましたー…」
店員さんの声を背に受けながら、あたしたちはお店を出た。