ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
「はぁ…はぁ…」


外に出た。

辺りを見回す。

たくさんいる保護者の中には、お母さんは見当たらない。

もう帰ってしまったのだろうか。


「ちーちゃん…!」


校門の近くに立っている誰かが、そう呼んだ。

あたしをこう呼ぶのは、一人しかいない。

それはあたしの好きな人で…

初めて愛した人…

そう、あれは…


「結平…!!」


力一杯走る。

そして力一杯、結平に抱き付いた。
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