哀恋~素直になれば。
グイッと乱暴に引っ張ってあたしを手元まで引き寄せるとおでこにキスして玄関まで連れて行かれた。

リビングにはお母様とお父様。

家政婦さんや執事の大山さん―――

いろんな人が居た。

透は、怖いくらい完璧な笑顔を振りまきながらあたしの手をギュッと握ってきた

あまりの痛さに顔をしかめるとちょっとだけ緩くなった

あたりまえだ。

あたしの両親が居るところではさすがに透も悪さが出来ないんだろう

あたしは無理やり笑顔を作るとお母様とお父様にあいてるほうの手で手を振った

『行ってきます』

傍から見れば、とてもラブラブな許婚同士だと誰もがうらやむのだろう。

あたしは、いつまでこのクルシイ生活を耐えればいい??

―――誰か、この生活からあたしをタスケテ。

…そして、心の底からあたしを愛してください―――

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