「キカイ」の子

キカイの子

「ねぇ?冬彦…」




「ん?」







二人が抱き合って、十分が経とうとしていたが、二人はまだ、抱き合ったままだった。






「…そろそろ、離れない?」





「……もう少しだけ…駄目かな?」







「…そういう聞き方…ズルい…」







夏美は、少しだけ拗ねた態度を取って見せたが、冬彦は気にせず、今までの分を補うかのように、彼女を強く抱き締めた。









「冬彦、ちょ、苦し…」








夏美は少し冬彦の中でもがいていたが、しばらくすると諦めて、大人しくした。









冬彦が彼女を離したのは、それから五分以上経ってからだった。










「もう!冬彦ったら…」





冬彦から解放され、ベッドに横になった夏美は彼を睨んだ。






「ご、ごめん。」







さっきまでとは態度が全然違う夏美に、冬彦は驚き、戸惑った。






だが、それ以上に嬉しかった。





…これが…本当の夏美なんだよね…




冬彦がニヤニヤしていると、夏美は面白くなさそうな顔をした。









そして、彼女が文句を言おうとした時、病室のドアが急に開いた。
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