「キカイ」の子
「何を言って……?」





冬彦が狼狽えていると、少しずつ辺りの闇が薄らいでいく。





「フフ…もうキミの意識が戻ろうとしているんだよ。」




辺りが黒から白へと変わっていくにつれて、そう話す子供の姿もはっきりと見ることができるようになっていく。








その子供は男の子だろう、小学校の青い制服のようなものを着ていた。








冬彦はその制服に見覚えがあったが、思い出すことができないままその少年をじっと見ていた。






「キミはボクであると同時に…もうボクではないんだ。キミはボクには無いものを手に入れたんだから……」






そう話す少年の輪郭が徐々に鮮明になる。






「さようなら…ボク。




そして、
ボクの……弟。」







その時、冬彦ははっきりとその少年の顔を見た。








…あれは、小さい頃の…僕?








冬彦がそう悟った瞬間、彼の周りが一気に光輝き、彼はその眩しさに目をきつく閉じた。
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