「キカイ」の子
冬彦は声を圧し殺し、涙を溢した。





自分という存在が父にとって大事なものであったのだと感じ、そんな風に思ってくれている父に対しての自分の行いが許せなかった。







…父さん…父さん……ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい……






「…ありがとう。」







何度も謝った後、冬彦は心底安心した声を小さく吐き出して、感謝の言葉を述べた。







ドアの向こうでは、落ち込んだ聡を天野が慰めていた。



「慰めなどいらん…冬彦を何とかしろ!」



「そんな…無茶ですよ。」





冬彦は父に対して、自分の言葉で気持ちを伝えたいと思い、ドアノブに手をかけ、ドアを開けた。




その瞬間、聡の怒鳴り声が一段と大きく冬彦の耳に入ってきた。







「ふざけるな!あいつを作るのにいったいいくらかけたと思ってるんだ!」
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