暴風うさぎ



やっとの思いで学校に着くと時間は10時を過ぎていた。いつもの倍以上時間がかかったし、台風は去るどころかひどくなる一方だ。

学校の窓がガタガタと割れそうなほど揺れていて、校庭の木々は強風でうなり声を上げていた。


夜の学校は勿論全部に鍵がかけられているし、無理矢理侵入しようとするとセキュリティシステムが作動する。

でも西口の非常口だけは別だ。

あそこの扉の立て付けは悪くて鍵がかかっていても軽く蹴飛ばせば簡単に開く。


-----------ドンッ! 


案の定、すんなり扉は開いて学校に入る事が出来た。


誰もいない学校は薄気味悪くて明かりは緑色の非常灯だけ。昔の俺なら完全にチビってたなぁ………
なんて思いながら足は2組の教室に向かっていた。



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