Hな花園
先生の顔を見ないようにして、足早にその場を去ろうとする。


ガラララ




後方で、保健室のドアが開く音がした。


あたしは聞き耳を立てた。


「あら……なに!?」


背中に聞く、先生の訝しげな声。


ヤバい。早く教室に……


「ちょっと竹内さん?」





名前を呼ばれて、あたしは反射的に立ち止まる。


そして、どぎまぎしながら振り返った。


五メートルくらい先の保健室から体を半分ほど出した先生が、なんとも形容しがたい、不思議そうな顔であたしを見つめている。


ヤバ……


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