悪い女-悪あがき-
廉がどんな言葉を求めているのか、あたしにどんな感情を求めてるのか。ねぇ、そんなの。
身体だけの関係に気持ちは必要ないでしょう?
本音、なんてどこにもない。
廉、あんたはそんな男でしょう?
「…廉、もうやめてよ、廉らしくない。そんな感情イラナイ」
ぐるぐるぐるぐる、訳のわからない何かが体に渦巻いて熱を帯びていく。あたしはそれを止めるのに必死で冷めた言葉を探す。
「そうだね、俺らしくない」
笑う廉は愉し気で、やっぱりどうしたいのかなんて言わなくて、
「茜ちゃん、俺が嫌い?」
そう聞いた廉は、今までみた事ないくらい、透明で、切実だった。