図書館>>>異世界
やべ。何か不味いことでもしてしまったのだろうか。
私が発言した直後から、王子が眼を見開いて凝視してくるんですけどー。
手元の書類、インク染みてるよ。
てか、やっぱり嫌味はまずかったか?
でも、あんなの可愛らしいものじゃんね?
これで処刑とか言われたらどーしましょ。
「……そなた、名は。―――名は、何と言う」
「夜と申します。夜が明ける、の夜です」
ざっくりと説明した。今日二回目だしね!
すると王子は小さく何かを呟いたかと思うと。
「クラヴィス」
「はい」
「下がって良い」
「…はい」
「ヨルと話がしたい。……人払いを」
さっさと退室しようという魂胆は、どうやらかないそうにも無かった。