雪割草
 帰り道の途中、街灯の下をリヤカーを引きながら歩くシローの背中は、とても寂しそうに見えた。

「ごめんね。シローちゃん……。」

 美枝子はそんな背中に呟いた。

「……。」

「わたし、全然気付いてなかったわ」

 彼女の瞳に涙が溢れていた。

シローは何も言わず、ただ黙々とリヤカーを引っ張っり続けた。

小さく丸めた背中を、美枝子は涙で一杯になった瞳で、ずっと見つめていた。


「ごめんね……。」

 美枝子の頬に涙が零れ落ちた……。

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