雪割草
 それからーーこの少女に全てをさらけ出し、正直に今までの経緯を話した。

これまでのシローの生活……。

美枝子と出会ったこと……。

美枝子と暮らした三年間の事……。

どうして、美枝子は死んでしまったのか……。

何故、自分はリヤカーで美枝子を運んでいるのか……。

 それはまるで、懺悔のように聞こえた。

 その少女は一通り話しを聞き終えると、

「ヘエー、おじさんて変な人なんだね。

でも、安心して!

よくよく考えたら、あたしも警察なんて来られたら困るんだよね」

 手に持っていた携帯電話を、ポケットの中に閉まった。

 満足そうに彼女は頷いて見せて、不規則に照らす街灯の下から姿を消し去ろうとしていた……。
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