君がいれば・・・①
瀬奈はガラスの扉を開ける時、一瞬躊躇(ちゅうちょ)した。



いたら断ろうと思っているのに、いないのではないかと心配なのだ。



待ってなかったら、からかわれたで済むのに……。



瀬奈は出入り口のドアを押して一歩踏み出した。



くるっと頭をめぐらせて彼の姿を探していた。



いた……んだ……。



彼は隣のビルに背を預けて立っていた。



瀬奈の後ろから数人のデパート従業員が出てきた。



彼を見てあの人カッコイイという声が聞こえてきた。



顔を隠すのはそういう事なのかな……。



必要以上に注目を浴びたくないとか……。




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