君がいれば・・・①
連れて行かれたお店は高級イタリアンのお店。



「あの……すみません 帰ります」



お店に入るのに戸惑う。



「ここまで来たのに?」



端整な顔の葉山の眉が片方上がる。



「すみません……」



「だめだ 逃がさないよ 食事に付き合って欲しいだけだから そんなに身構えないで」



手を握られて瀬奈は入るしかなかった。



こんなお店は初めてだ。



わが社のお給料でこんなお店に来るなんてありえないでしょう。



席に着くと、店内をぐるっと見渡した瀬奈に葉山が微笑んだ。



「落ち着かない?」



「え?まあ……」



落ち着くわけないよ……。



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