君がいれば・・・①
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家に戻ると、母がキッチンから出て来て瀬奈を出迎えた。



「お帰り~ 楽しかった? 韓国はいい所でしょ~」



「うん 楽しかったよ また行きたい」



それしか言えない。



「今度は一緒に行きましょうね?」



悪いけど……それだけはダメだよ、一緒に行ったらシンと会えないもん。



適当に頷いて瀬奈はお土産をテーブルの上に出し始めた。



あ……。



わたし、病院に行ったんだよね。



点滴も打ってもらったって……。



お金も払わずに帰ってきちゃった……。



すっかり病院に運ばれた事など忘れていた自分。



後で電話して「ありがとう」を言わなきゃ。




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