君がいれば・・・①
「瀬奈?」


言葉を促すように言われると弱い。



「あ、あのね……」



亜佐美に話そうと思って口を開いた途端……。



「木下君」



瀬奈は名前を呼ばれた。



「は、葉山部長!」



突然の葉山の出現に亜佐美が驚きの声を上げた。



「ここいいかな?」



社食のトレーを持って葉山部長が立っていた。



「ど、どうぞ」



瀬奈が言うと「ありがとう」と言って瀬奈の隣に座った。



他にも席は空いてるっていうのに何で隣になんて来たのぉ……。



瀬奈は気まずくてさっきまで進まなかった食事を食べ始めた。



「夏季休暇だったんだね?」



「え?あ……そうです」



話しかけられて瞳を葉山に向けた。



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