君がいれば・・・①
この人……女の扱いがうまい……女性専門の詐欺師かな~?もしかして万引きして追われているのかも。



そう考えて彼の手をとっさに振り払った。



「だ、大丈夫です ありがとうございます」



彼はフッと微笑むと腕を伸ばして腕時計を見た。


もう大丈夫だろう。



「サンキュウ」



そう言って彼は顔を傾けた。



次の瞬間、瀬奈の頬に彼の唇が触れた。



「え……」



頬にキスされて驚いているうちに彼はカーテンを引いて行ってしまった。



「なんだったの……?あの人……って! もうっ く、唇が頬に触れた!!!!!」



不覚にもまったく知らない男に頬をキスされて腹が立った。



キスされた頬を手の甲でゴシゴシ拭く。



でも……いい香りがしたんだよね……ルックスもありえないくらいカッコ良かったし……。



瀬奈は今起こった出来事にほーっとため息を吐いていた。


今のは何だったんだろう……。


突然現れて去って行った彼……。


もしかして夢を見てた……?






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