君がいれば・・・①
身長が高く、屈強な体つきをした警備員に亜佐美は惚れ惚れした表情になる。



「そうかな~」



亜佐美にカッコイイよね?と言われてもシンを見慣れてしまった瀬奈は回りにいる男性がいくらカッコよくてもカッコイイと思わなくなっていた。



「まったく……あんたはシンを見慣れているからね?」



呆れた笑いを瀬奈に向ける。



「うん シンが一番かっこいいもん」



そう恥ずかしげも無く言えるのは付き合っている事が公認になったからだろうか。



素直に自慢をされて亜佐美が瀬奈のわき腹を小突いた。



******



数日が経ち、何事もなく瀬奈ははりきって仕事をしていた。



シンに会えないのは心の中がぽっかり空いた感じで埋められないけど、今は一生懸命仕事をしようと決めた。



シンのファンも時々受付の瀬奈に近寄ってきて「2人を応援しています」や「頑張ってください」「結婚はいつですか?」などと聞いてきたりする。



そんな時、瀬奈はそっけなく出来ないので適当にごまかす。



受付の先輩達はシンの事がばれても優しかった。



でも、デパートの中でも良く思わない従業員もいて一日に数回は嫌味を言われたりする。



気にしないようにはしているものの、瀬奈は神経質になっていった。




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