君がいれば・・・①
ジフンはバーカウンターからバーボンをグラスに入れてシンに渡した。



一気にバーボンの入ったグラスを煽る。



焼け付くような液体がのどもとを通っていく。



強い酒にすぐに酔いつぶれてしまいそうだ。



セナ……。



瀬奈の顔を思い出す。



ジフンがシンの前に座った。



「そんなに良い女だったのか?」



「良い女……そんなもんじゃない」



「セナは俺には純真無垢過ぎた……」



お代わりを作りにバーカウンターへ歩いていくシン。


「今時珍しいな……純真無垢か……」



シン、お前……騙されているんじゃないのか?



今時、純真無垢な子にお目にかかったことなどない。



そこまでは言わなかった。



バーボンをグラスにたっぷり入れてシンは戻って来た。




「そのウサギちゃんは?」



ウサギちゃんと言われて思い出した。



自分のお尻のポケットに入った物を。



シンはそれを取り出すと包装紙をはがした。




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