君がいれば・・・①
やっと日本でのスケジュールが終わった。



明日韓国に帰る予定だ。



このまま帰れるわけがない。



仕事を終えて部屋に戻ったシンはクローゼットに行き、私服のカジュアルなジャケットに着替えた。



顔を隠さずに瀬奈に会いに行きたい。



堂々と。



部屋を出ようとした時、横から手が伸びて行く手を阻んだ。



「おい、兄貴」



シンが片方の眉を上げてジフンを見る。



「その姿で行ったら大事(おおごと)になる」



「それでも行く」



シンがジフンの腕を振り切って行こうとする。



「もっと冷静に考えろよ」



「ジフン……」



シンはジフンに腕を掴まれ、無理やりソファーに座らされた。



身体が脱力する。



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