君がいれば・・・①
「失礼 僕の名前はソ・ジフンです」



瀬奈の目が大きくなった。



なぜそんなに俺の名前で驚くんだ?



「ジフン……」



「シンが会いたがっています」



彼の声がシンという名前のところで小さくなった。



周りを気にしての事らしい。



その時は何でか瀬奈には分らなかったが。



ジフンはシンが名前を偽っていた事を知らないのだ。



「あたし、しんさんって言う人知りません 何かのお間違えではないでしょうか?」



やんわり言う言葉に意志の強さがうかがえた。



シンを知らない?知らないフリをしているのか?



ジフンはどうしようかと考えた時、ウサギのぬいぐるみを思い出した。



「ウサギのぬいぐるみが待ってますよ」



「え!」



彼はジフンで……。



わたしがジフンと思っていた人がシン……って言う人?



「……彼がここへ来るべきです」



目の前のジフンの言葉に、瀬奈の頭は混乱していた。



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