裏切りの少年
34. 条件
「紹介………」


俺は相棒の言っている意味が分からなかった。


『そうだ』

「………いいだろう。
どこに行けばいい」


俺は相棒から集合場所と時刻を聞き、通信を切った。

相棒の考えを考えているのか予測できない。

だが、条件に『議長』を入れて来たのだ。

話くらいなら聞いても良いだろう。

俺は支度をして、ホテルの部屋を出た。




―――集合場所
目的地に着くと、車が一台停まっていた。

俺が運転席を見ると、相棒が座っていた。

俺が窓を軽く叩くと、相棒はドアのロックを解除した。

俺は助手席に座った。


「三日ぶりだな。
あれから例の任務はどうなった」


相棒が俺に連絡を入れてきた時点で結果は分かっていた。

だが、一応確認のために聞いた。


「失敗だ」


相棒は小声で言った。


「あの任務で『G』の隠密部隊も含め、戦える人間は死んだ。
もう『G』ではあの子供を止めることが出来ない」

「これからどうするんだ」


俺は相棒に聞いた。


「ウルフ。
お前があの子供を始末してくれ」

「断る」

「お前を動かすだけの条件を用意した」


相棒は俺の方を見た。


「条件か………」

「条件は三つ。
1つ目はお前との協定を白紙にしない。
2つ目はお前の事を議長に報告しない。
3つめは議長にお前を紹介することだ」


相棒の条件はある程度予測していた。

協定の白紙は言われると思えた。

問題は………
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