裏切りの少年
「『最終ボスがいない』、未完成のゲームだと聞いたからか………」

「自分を信じ、最後まで諦めない精神力を持つ者が、『Infinite Information』を攻略できる」


俺は頭を抱えた。
そして、しばらく考えた。


「それで、『Infinite Information』をクリア―して、『動画』を見て『勇者』は冒険に出ると………
貴方はそう考えているのか」

「『Infinite Information』を攻略した『勇者』なら、旅に出る」

「だが、どこの『軍施設』かわからないのにか………」


子供が攻略できるまでは納得できる。
だが、それはゲーム内での話だ。
この世界とゲームの世界は違う。
下手をすれば、命の危険だってある。


「大丈夫だ。
情報収集能力は『Infinite Information』内で学べる。
『勇者』はセキュリティー解除方法や偽造技術など、この世界で通用する技術を習得している」

「バカバカしいな。
たかが、ゲームだぞ。
学べるわけがない」


俺は金本に言った。


「君は『Infinite Information』を攻略してない。
まさか、1週間で終わるようなゲームだと思っているのか」

「ああ」


俺は答えた。


「君はゲームを解析したと言っていたね。
君から見て、あのプログラムは何だと思う」

「プログラムはこの世界に存在しないものだ」

「その通り。しかし、君は解いた。
なかなか、できないことだ」

「そうか。なんで、できないんだ」

「あの技術は現実世界の技術で造られた物だ。
つまり、この世界から数百年後の技術で造られた。
あのプログラムを解読できるには、『PC言語解析』能力者か現実世界の技術者だけだ」

「………なんで、その技術を使った」

「データ―を『圧縮』するためだ」
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