お揃いの絆創膏【短編】
暗くて顔も見えない中、声だけが聞こえる。
「だ…だれ?」
「ゆーやだよ。きみは?」
「や…ま……と…」
どこから聞こえてるのかわからなくて、どんどん怖くなっていく。
「やまとくん!!ここだよ、ここ」
その声はだんだんと近付いてきて、ちょうど僕のすぐ後ろから聞こえてきた。
「こんなじかんにどうしたの?もうくらいよ?おうちはどこ?なんさい?」
一度に何個も質問するから、頭がおかしくなりそうで。
たった一言、「こわかった」と呟いた。