お揃いの絆創膏【短編】
「やまとくん家ってどこ?送っていってあげるよ」
どこと言われても、暗くてどっちが右でどっちが左かさえもわからないのに、自分ん家なんてわかるわけない。
「わからない…」
「じゃあ、近くにだれかの家ある?」
ゆーやちゃんに聞かれ、必死に考えた。
僕ん家の近くにだれか居るっけ?
「えっと…確か……近森のおばちゃんによくお菓子貰ってる」
それを近所というのかわからないけど、よくお菓子を貰いに行ってるのは本当だ。
「あ、そのおばちゃんしってるよ!!じゃあ、そこまでとりあえず行こう!!!」
そう言って僕の手をギュッと握ってくれたゆーやちゃん。
その手の温もりを感じ、僕の心臓はドクッと鳴った。