月夜の物語






「新。少しは落ち着いたら?」

「だって今日予定日だろ?なんで産まれてこないんだよ」

「予定は未定って言うじゃない」




――現代

幾度とない輪廻転生を繰り返し、新と海月の命はまた結ばれた。



遊び人で有名だった新と、優等生でおしとやかな海月。

傍から見れば絶対に混じり合うことの無さそうなふたりは自然と結ばれ、結婚したのだ。

海月と出逢った新は、人間が変わってしまったかのように一途になり、周りを驚かせたという。



「…ていうか、海月なに持ってんの?さっきから」

「これ?うちの家の代々伝わる安産のお守りなの」

「見せてー?うわ、綺麗だなこれ」





海月の手に握られていたのは

あの日、新が海月に渡した、漆塗りのくしだった。




END
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