私、もうちょっとで30代です。でもピンクなんです。
スターゴレンジャー+1、始動!
今、地球に史上最大の危機が訪れている。
最凶最悪の組織によって。人類は助からないのか?もう私達は滅ぶしかないのか?
しかし、ここに一つの希望の星がある。
そう正義の戦隊である。その正義の戦隊の名前は、スターゴレンジャー+1である。
「そうさ、俺たちがいるかぎり地球の平和は守ってやるぜ!」
トウ!
颯爽と現れたのは、情熱のレッドスターだった。そして次々に華麗に現れるスターゴレンジャー+1。
空より青い爽やかなブルースター。
まぶしい光を放つイエロースター。
全てを包む優しさグリーンスター。
何者にも侵されない漆黒のブラックスター。
愛らしい花のようなみんなのアイドルピンクスター。
「俺たちはスターゴレンジャー+1だ!」

勇敢な隊員たちは、襲いかかる敵を次々に、倒していく。
レッドスターの拳が唸り、ブルースターのキックが宙を舞い、イエロースターのビームが轟き、グリーンスターの微笑みが全てを包み、ブラックスターの闇が全てを破壊する。強いぞ、スターゴレンジャー+1!
そして最後にピンクスターの愛らしさに敵が骨抜きにされる!
いや、ピンクスターの攻撃だけが効いていない!「おかしい、ピンクスターの攻撃が効かないなんて!」
「みんな総攻撃だ!」
レッドスターの指揮で、スターゴレンジャー+1は敵に一斉に襲いかかる!
ピンクスターは、背後の敵に気がつき、腰をひねりながら、キックしようとした。
グキ!
何か嫌な音がした。
「痛い!急に動いたから」なんとみんなのアイドルピンクスターがぎっくり腰を起こしてしまった。
「やっぱり運動不足だ。」他のスターゴレンジャーが戦う中、ピンクスターだけはうずくまっていた。
「うわぁ!やられた。今回は撤退だ。」
敵はスターゴレンジャーの強さに、完敗し逃げていった。
「よっしゃー、正義は勝つ!」
スターゴレンジャーは勝利の喜びに浮かれていた。
「やっぱりピンクはダメだなぁ。だってオバハンだもんな。」
ニヤリと笑って、レッドスターが振り返った。
「みんなのアイドルは、ピッチビチの女の子だよな。」
ハァとピンクスター以外の隊員がため息をした。「うるさーい。オバハンで悪かったなぁ。私だって、訳わからないんじゃー。」
そう、もうちょっとで30代の私は、何故かピンクスターなのです。
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