悔やみ嘆く思い

ただ進むしかない

手がかりらしい手がかりも結局はあのメモだけで意味の分からないメモをひたすら見つめた。
おばちゃんには実花のおばあちゃんの住所だけ聞いてきた。

何も分からないまま朝を迎えてしまった。
｢今日は学校行くか…｣じっーと考えこんでいても始まらない。
俺は久しぶりに制服に手を通した。

制服姿でリビングに顔を出すとおばあちゃんが一瞬びっくりしたような顔をして｢おはよう｣と言ってくれた。

｢おはよう｣俺もおばあちゃんに返事をして、椅子に座った。
｢お、翔太今日から学校行くんだな｣兄貴が歯磨きをしながら俺に話しかけてくる。

｢うん、ずっと休んでいられねーし｣
｢そうだな。只でさえバカなんだからしっかり勉強してこい｣
ニヤニヤしながら話す兄貴を睨むと忍び足でリビングを出ていった。

朝ごはんを済ましてから家を出た。

登校時間がこんなに暇だなんて知らなかった。
いつも実花とプロ野球の話を学校に行くまで話す。
これが俺たちの日課だった。

学校に着くとみんなが俺の周りに集まってきた。
同情されるんだ、そう思っていたけどみんなから出てきた言葉は｢おはよう｣や今日の授業のこと、今までの授業のことたはかりだった。

昼休みも野球部のみんなが、顔を出してくれて寒いのに屋上でみんなで輪になってご飯を食べた。

｢翔太、今日は部活来るよな？！｣
嬉しそうに肩を組んでくるやつ。
｢あー。ほんとは行きたかったんだけど今日、どうしても行きたいとこあってさ。悪い｣俺は頭を下げた。

｢そっかぁー。じゃあ明日は来いよ!!｣
｢ありがとな、みんな。｣
俺はみんなに微笑みを見せた。