悔やみ嘆く思い

「お前のことだからおばあさんには話聞いてるんだろ?誰かと会っていたとな」
俺は山岡さんの話に頷いた。

「目撃情報を探していたら、何度も見たと言う人がいた。」
「誰と居たんですか?」俺は冷静に尋ねる。だけど山岡さんは首を横に振った。

「一人でいつも駅の改札口で待っているのを駅員が見てた。待ち合わせをしてるようだったが、相手はいつも見ていないとな」山岡さんは店の店員に餃子二人前と言った。

「その待ち合わせをしていた相手が実花を殺したんですか?」
「その可能性は高い。だが、分からん。実花さんには謎が多すぎる。第一、親友のお前が何で知らないんだよ」山岡さんは俺の顔をじっと見てきた。

「それは俺が一番聞きたいです。どうして俺には話せなかったのか。実花には言えない理由があったんだ」自分に言い聞かせるように呟いた。
「はぁーわかんねーな。何だ、この数字?!」

俺も一緒に考え込む。
「あっ!」俺は急にその数字の意味を読み取れた気がした。思わず椅子から立ち上がる。
「なんだ、なんだ急に」山岡さんはため息をつく。

「山岡さん…部屋番号だよ。それ…」俺は椅子に座って山岡さんに言う。
「部屋番号……そうかもしれねーな」山岡さんは俺にニタリと笑った。
< 46 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop