僕の見つめる世界で。
「待て、お前なんで知ってるんだよ」
僕がそう飯島に問うと、飯島はハッとした表情を浮かべた。
目を逸らし、僕の顔を見ない。
「……やっ、見てればわかるから!お前小森ばっかり見てた」
僕が小森を?
まったく身に覚えがない。
いつも小森は僕の視界にいるだけだと思ってた。
話すのも他の女の子より
少し多いだけだ。
だいたい、僕はデートなんて
あんまりしたことがない。
小森を楽しませることなんて
……できない。