僕の見つめる世界で。
「おーのくんっ!今週空いてる?」
……来た。
小森はお決まりの口調で僕に
問う。
「空いてるよ」
冷静に答えると、小森の様子を伺った。
少し俯いて何かを考えている。
「動物園!連れていって!」
まるで子供を見ているみたいだった。
瞳をキラキラと輝かせて、
手を合わせて指と指を絡ませている。
「……いいけど」
動物園なんて数えたほどしか
行ったことがない。
電車で一時間するところに
わざわざ行きたがるのが僕にはわからなかった。