僕の見つめる世界で。
その日はやってきて、青空に
よく似合う真っ赤な太陽が僕を照り付ける。
駅で待ち合わせの時間より、
少し早く着いてしまった。
休日だということもあって、
人ごみに埋もれそうだった。
小森を待つ間、二人分の目的地までの切符を買う。
女の子は時間がかかるから
5分後くらいに来る。
「……小野くんっ!」
彼女の声が背後から聞こえた。
振り向くと、にっこりと微笑む小森。
「あ、切符買ってくれたの?お金払うから待って」
小森が財布を鞄から取り出す前に、僕はストップをかけた。
「おはよう。お金はいいから、電車に乗ろう」
切符を手渡し、僕は先に改札を通る。
小森はお礼を言いながら、
僕の後をついて歩いた。