僕の見つめる世界で。


その日はやってきて、青空に
よく似合う真っ赤な太陽が僕を照り付ける。


駅で待ち合わせの時間より、
少し早く着いてしまった。


休日だということもあって、
人ごみに埋もれそうだった。


小森を待つ間、二人分の目的地までの切符を買う。


女の子は時間がかかるから
5分後くらいに来る。


「……小野くんっ!」


彼女の声が背後から聞こえた。

振り向くと、にっこりと微笑む小森。


「あ、切符買ってくれたの?お金払うから待って」


小森が財布を鞄から取り出す前に、僕はストップをかけた。


「おはよう。お金はいいから、電車に乗ろう」


切符を手渡し、僕は先に改札を通る。


小森はお礼を言いながら、
僕の後をついて歩いた。



< 14 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop