僕の見つめる世界で。
休み時間、僕は勉強なんかせずに窓際の机からそっと外を見つめる。
景色をぼーっと見つめても、
僕の頭には小森のことしかなかった。
「小野、何たそがれてんだよ」
「飯島……」
飯島結木〈イイジマ ユウキ〉
いつも僕と一緒にいる。
親友という役割のやつ。
親が総合病院の院長で、
生まれたころから不自由など
してこなかった金持ちだ。
彼は病院を継がず、弟に任せ
高校卒業後には知り合いの
店に就職する。
僕にとっていつも力になる
存在だった。
「俺、今日なんか変なこと言われたんだよ」
景色から目を離さず、僕は
飯島に話し始める。