コーチと私の甘いオトナの秘密
『大丈夫か?腹が痛いのか?』


小さい子供に言うみたい


『お腹と…あそこが痛い』

コーチの耳が真っ赤になっていく。


『…俺、誰にでもこんなことしてないからな。でもさ、大変なことしてしまったな』


『二人の秘密。ね。コーチ、私のこと好き?』


お決まりの質問。例えば…違うって言われても、あんな風に抱き締めてくれた。見つめてくれた。

今から好きになってくれたらいい。


『疾…。お前の強気で、たまに弱気で、でも女の子らしいプレーが好きでさ。指導者として…』


後ろからコーチに目隠しした。


『こ、こら』

立ち止まったコーチの耳にキスした。


『コーチ…もっと私を好きになってくれる?』


黙ってる


『…ダメだよ。俺と疾は…』


今度は口を塞いだ。


『バスケしてない時は琴音だよ』


わかってる。わかってます。


こんな関係は続けちゃいけない


コーチも困るし…私もバスケなんかどうでもよくなる。きっと。


でも、コーチに恋してる。
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