Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜





―――その日の午後、決定的な言葉を聞く羽目になるとは思わなかった。




私たち新人は研修のために午後から会議室に集まり、先輩社員の話を聞いたり作業をしたりする。


それが終わる頃には17時を回っていて、私と静香は終了後営業部までの通路を歩いていた。


角を曲がったところで、井川さんと歩く昴さんの姿を見つけた私は声をかけようとした。
しかし、二人の話の内容に声が出なかった。






「…で、里谷ちゃんとはまだなのね?」


「あぁ。…やっぱり抱けないよ」



昴さんのその言葉に、私は立ち尽くすほかなかった。





< 124 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop