Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜





井川さんも高野課長も、笑顔で群がる女性をあしらいながら昼食を選んでいる。


………けど、やっぱり課長は目が笑っていない。
井川さんは本気で楽しんでいるように見えるけど。


私がそんな風に課長を観察していると、不意に課長がこちらに視線をよこした。


―――ヤバッ!


私はわざとくさいぐらいに首を曲げ、高野課長を視界に入れないようにした。



「どしたの詩穂?」


「い、いやいや!それより早く食べて歯磨きしちゃおうよ!」


私はそう静香を促し、そそくさと食堂を後にした。





< 17 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop