恋愛遍歴-愛を求めた日々-

この日、茜は家に帰ってから、携帯の電話帳の昔関係を持った男を、全て削除した。


そして、寝室のクローゼットの中からアルバムを出して、
関係を持った男達の写真を見ていた。


『こんなに居たんだなぁー。
こんだけの男と関係を持っても、残ってるものなんて何もない…。
今まで、何を考えて生きて来たんだろう…。
私って人間が分からないよ…』


一人、一人、ハッキリと覚えている思い出。


だが、思い出は時間と共に消えて行く…。


あと、五年もすれば、この中でどれだけの思い出が残っているのだろう…。


人の記憶なんて、曖昧なもの…。


綺麗な思い出だけを残し、時間を重ねて行くことだろう…。


十年後の自分、茜の中では自分の姿が見えない…。

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