恋愛遍歴-愛を求めた日々-
四十になった途端に、思いもしない出来事が茜を襲った。
これは、神様の思し召しなのだろうか…。
四十を節目に、自分の人生を考え直せと言っているのだろうか…。
そんな事を考えながら、寒さの余りに部屋の中に入った。
部屋に入り、ソファーに座って、タバコに火をつけた途端に、家の電話が鳴った。
『何てタイミングなんだよ。希は…』
と言葉を吐き出し、茜は電話に出た。
「もしもし、茜。生きてた?」
何とも下品な言葉が出て来るのだろうか…。
『希…、いきなり生きてたはないでしょうよ…。
せめて、元気って声掛けてよ』
と茜が言うと、電話口で希が笑っていた。
「良かった、それでこそ茜だね」
この言葉に、茜は薄っすらと笑みを浮かべた。