4つの紋章

帰り道(漣side)

〔漣side〕




「2人が忙しいなら、旅行や遠出はまず無理だな…。」

「うん…。他に何か無いかなぁ…。」


梨沙は下を向いて考え込んでいる。

私も旅行とかは行きたいけど、部活は休みたくない。

思い出か。

確かに、新学期になれば部活も大会に向けて忙しくなるしな。

進路だって違うんだ。

4人でずっと一緒に行動するのは難しいかもしれない。


「なにこれ?」


考え事をしていると、梨沙が一枚の紙を持っていた。


「なにそれ?何かのチラシ?」

「なになに…?“異世界に行ってみませんか?”だって。」

「はっ!?異世界!?意味分かんないでしょ!!」


梨沙が拾った紙は、やっぱり何かのチラシみたいで…。

繭の反応、正しいよ。

異世界って意味分かんないでしょ…。

旅行会社のチラシにしたって、怪しすぎて誰も申し込まないって。


「ちょっと読んでみるね。」


梨紗がチラシに書いてある説明を読み始めた。
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