School
「更衣室は女子が使って、教室は男子が使うんだよ。」

「へぇ」

「授業も男子とは別だから。まぁ、同じ運動場だけどね。」

ジャージ持ってきてない。

青アザだらけの腕をさらす訳にはいかない…。

「ジャージ持ってる?」

「あ、うん」

「貸して…欲しいんだけど」

「いいけど…見つかったら先生に怒られるから、気をつけてね。」

楓は快く貸してくれた。

「ありがとう…」

ニヤリと楓は笑い私を見る。

「颯は肌の色とか気にしないよ?」

「はぁ?」

思わずギョッとした。

「美月は颯好きでしょ?」

ポカンとしていると楓が続ける。

「さっきの聞いて乙女だって思ったもん」

「そんな…事ないよ」

ちょっとだけ。

あの先生なら…

私を救ってくれるかもって期待がある。

今まで感じた事のない感情。

「好き」にはならない。

「先生はちょっと尊敬するだけ」

「えー、絶対好き!なにより
学校来る理由になりそう。」

そっと頬を撫でられた。

「みっきーは…好きだよ。変な意味じゃないからね」

「うん…伝わったよ。」

人に「好き」と言われると、気持ちが暖かくなるとは知らなかった。


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