恋愛妄想
冷たいフローリングの床。
何時間眠ったんだろう…
腕を見て
あれだけザックリ切った割りには
流れた血液は乾ききり
あたしは


生きている。


なぜか笑った。

なんて大それた事をしてしまったんだろう。

あたしの心は壊れても
体は壊れない。

こうやって…
血液は固まり、傷はカサブタになり
生き続ける事を望んでいるのに…


外に出るのは相変わらず怖い。
働く気力もない。
もう何日?何か月人と話してない?

このまま生きていくの?

いつまでも続かない。


あたしは小さな決心をした。

この場にいたらダメになる。
この街を出よう…
新しい、あたしを誰も知らない土地で1から始めよう。

だけど
環境が変わったところで
あたしが変わるだろうか?

今の この腐った環境を作ったのはあたし。

あたしは そう簡単に変わるだろうか。

ただ一つ 変わる手立てがあるとしたら
それは恋をしない事だ。

恋をしたら あたしは狂う。
疑心暗鬼とパラノイアの呪縛から離れられずに
我を無くし
自分だけでなく
相手も傷付ける。


もう やめよう。
恋をしなくても生きていける。

なんども辛かった。
恋愛なんて あたしに何をくれた?

疑う心と
そこにないのに見破りたい嘘。


そんなものはもういらない。


あたしは生まれ育ったこの街を
捨てる決心をした。
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