俺が恋したお嬢様



「お父さんが婚約話を持ちかけて来た時に、翔くんだったら婚約してもいいって言ったんです」


「…どうして?」



「か、翔くんがずっと好きだったからです…」


カァーと更に顔を真っ赤に染める雪乃ちゃん。



「ごめんなさい!私の我が儘で婚約することになってしまって!」


「でも、婚約のことは知らなかったって…」



「お父さんにお願いして、黙っててもらったんです」


「…そうなんだ」



「だから私、翔くんに好きって言ってもらえる資格ないんです」


ごめんなさい…と何度も頭を下げて謝る雪乃ちゃん。



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