【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった
今度は向井がシュートを決め、余裕の表情でオレらを見てくる。


「おい、足止まってんじゃん。もう息上がったのかよ」


足も止まるっつの!味方に裏切られたんだし?


「アイツムカつくなー。翼、オレらのチームワーク見せてやろーぜぇ」


テレビの前以外では、普段ヘラヘラしてる類が、向井をニラんで、やたらマジんなってる。


「マジんなんなよ……遊びだろ」


とか言いつつ、オレもちょっとマジ。


ニヤリと笑うと、類がガシッと肩を組んできた。


「後で、言ってやれよ。ナナはオレのだからって。向井、絶対ビビるぜ~」


「……そーだな。勝ったら、な」


多分、勝つけど。


またゲーム再開。


しばらくすると、体育館に人が集まってきていた。


ヤベーな、これじゃナナのこと言えねぇし。


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