【短】full blossoms~フル・ブロッサム~
第3章
満開だった桜はすでに緑の葉っぱをたくさんつけている。

さわやかな5月の青空に、緑の葉っぱが萌えて、思い思いのジャージを着た生徒達を包んでいた。


応援団がトラックの内側にいて走る生徒達の応援をしていた。
1ヵ月ほど練習を重ねてきたと見える応援合戦は女子のコスチュームにナース服を選んだ白団が圧倒的な支持を得て1番になった。

あきらかにここ最近くっついたと思える
『援団カップル』も目に付く。


みゆき達は校庭の端っこにいつものメンバーで陣取って座っていた。

障害物競走は終わったばかりだった。
肩で息を整えてみゆきは戻ってきた。

「お疲れ~!!」
遠藤がそう言うとジュースを差し出した。
「次利佳子だろ?」

トラックを見ると利佳子がテレテレと走っている。

障害物競走なんて、こんなもん。

走ってるのはみんなやる気がなさそ~な子ばっかり。

利佳子も戻ってきて、
みゆき達はジュースで「かんぱーい」と言って盛り上がっていた。

どうでも良い話、
遠藤のツレの正一の彼女のことや、
利佳子のネイルのこと、
そんな話をしていた時、突然トラックの周りのイスを並べたあたりが騒がしくなった。
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