さくらんぼロリーポップ
昨日といい今といい何故こんなにも自分を生徒会に入れたがろうとするのか……。
昼休みの龍の話を聞いて掛け持ちくらいなら譲歩
しようと思ってたのに……。
こうも自分の意志に反することばかりを言われると、風紀委員会への意気込みを蔑ろにされてる気分で苛立った。
なんで望んでもいない自分が生徒会に回されるのか。
憤りを口にするより早く、
「書類を無くした一件。覚えてる?」
「…………」
「過ぎたことを蒸し返すのは好きじゃないけど、元はと言えばアレは高原さんのミスが原因よね」
解いた髪を後ろで束ね直した委員長が上目に藍楽の顔色を窺った。
藍楽の喉元まで出かかっていた憤りが急速に冷えていく。
代わりに、返す言葉が見当たらないモヤモヤが胸に広がっていった。
藍楽が委員会に入ってしばらくたった頃。
顧問に提出するべきだった書類を藍楽が間違えて別の場所に保管してしまったことがあった。
まだ仕事もうろ覚えだったせいか、なかなか見つからずに何時間も探す羽目になってしまったのだ。