Infinite Information
「やあ、よくここまで来たね」

「あなたは………」


私は『青山トシゾウ』目掛けて銃を構えた。


「どうしたんだい。
私を殺しに来たんだろ」

「逃げたんじゃないの………」

「逃げる………
馬鹿を言うな。
やはり総長が馬鹿だから、部下も馬鹿なんだな」


『青山トシゾウ』は笑いだした。
私には信じられなかった。
自分の用意した軍が壊滅したというのにこの余裕がわからない。


「あなたは………」

「君のような若い子に殺されるなら悪くない。
しかし、少し話したいことがある」

「何………」

「この世界についてだ」

「………」

「君たち『W』………
いいや君たち『C』のやろうとしていることが正しいと本当にそう思うのか」

「私は『C』じゃない。
私は『W』だ」

「どちらでもかまわない。
君がそういうのなら『W』で結構だ。
この世界は全てにおいてバランスが保たれているんだ。
そう世界のバランスが………」

「バランス………」

「そうだ。
だが、百年ほど前から世界に『バグ』が産まれた。
それが大きくなり、世界を破滅へと導こうとしている」

「何を言っているの………
あなたは」

「君も見ただろ。
彼の力を………
『神山ミコト』という少年の力を」

「………」

「あれほどの存在が産まれるとは思わなかった。
私の計算にミスが生じたからだ」

「『計算にミス』………」

「だが、彼を消したところで意味が無い。
それに世界のバランスが歪んでしまう可能性もある」

「おかしくなったの………あなた」

「子供には話しても分からないだろう。
だが、ここまで来たんだ。教えてやろう」


『青山トシゾウ』は両手を広げた。
私は全神経を集中した。


「私は神だ」
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