不良彼氏〜金髪と天然〜
「まあまあ、俺の部屋来いって。いいこと聞かせてやるよ」
「うわっ意味わかんないし!離してっバカ兄貴」
あたしの抵抗は意味なく、アツ兄の部屋まで連れていかれた。
「おお、待たせたな奈那子、コイツがユズ」
そのままポイッと部屋の中に投げ入れられた。
ひっくり返っているあたしに、奈那子と呼ばれたアツ兄の彼女さんらしき人が近付いてきた。
「わぁ、敦也くんそんなことしちゃ可哀想だよ。大丈夫?」
何をされるのかと思いきや、彼女さんはあたしに手を差しのべてきた。
あたしはその手に助けてもらって彼女さんの前に座る。
「えっと、アツ兄、あたしに何をしろと?」
「いや、別にただ奈那子がどうしてもユズに会いたいって言うから」
……彼女さんが?あたしに会いたい?