たった一つの流れ星

「…」
軽い頭痛で佑二は目を覚ました。頭がクラクラする。
何とか立ち上がった佑二は、自分の体を確認した。確か派手にバイク事故を起こし、大きく飛ばされた。そこまでは覚えているが、その先は 全く覚えていない。
佑二は周りを見渡した。そこに思いがけない物を目にした。駅にある自動改札機だ。一列しかなく、仄かな暗さの中で、蛍光灯のオレンジの光に浮かび上がっている。
自動改札機の周りは四方八方真っ暗で何も見えない。
「…どうなってるんだ?」
佑二は一歩その自動改札機に近づくと、今度は右手に違和感を感じた。右手を慌てて見てみると一枚の切符の様な紙が手の平の上にあった。
「なんだこれ?」
佑二はほぼ考えるまでもなく、切符を改札に通した。軽快な音が鳴り、ゲージが開く。
「あっちに行けってことか?」
佑二は不思議がりながら改札を抜けた。
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