白いベンチ


『そろそろ帰ろっかな!来ねーってメールきてたし。』


携帯を取り出すとヒラヒラと私に見せた。



私はなにも言えないでいた。このときの私の表情はどんなだっただろう…


男は私をみるとプッと笑って言った。

『咲ちゃんまたここで会えるといいね!』
無邪気な笑顔に胸がキュッと締め付けられた

ゆっくりと階段を登ると桜のトンネルの中へ消えた。


私は素直にうんっと言えなかった。

このときはただただ…

あなたの後ろ姿を目で追ってた





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